京都のリーマンメモリーズ

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【書評】AI vs. 教科書が読めない子供たち 新井紀子 東洋経済新報社

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【1.本書の紹介】

すっかり有名になった本と著者です。
 
AIは、人を超えません。
 
なぜならば、AIは計算式だからです。
 
AIはどうした方が良いとか、感覚的なことは判断できません
 
AIが何なのかよく理解して、使う側になりましょう!
 
AIに対しては悲観することはないですよ!
 
と本書の中で言っています。ホッ。
 
より深刻なのは、文章を理解出来ない子供たちが増えていることです!というのが、作者の真の主張です。
 
子供を持つ親の立場としては、子供に本を読むクセを付けさせなければ!と思いました。
 
しかし、これって結構難しい事ですね。
 
ゲームなら、やるなと言われても、何時間でも熱心にやるんですけどね・・(笑)
 
 

【2.本書のポイント】

ここで読者の皆さんにクイズです。どんな質問すればさらに賢くなったSiriが実は意味を理解していないことを暴くことができるでしょうか。ぜひ考えてみてください。
 
結果的に人間より診断精度が高いのなら、機械に診断を任せた方が安心なのではと思う人もいるかもしれません。が、それは間違いです。
 
人間ならば誰でもがわかるその通りの意味をAIに教える道具は、少なくとも数学にはありません。そして繰り返し申し上げているように、コンピューター上で動くソフトウェアに過ぎないAIは徹頭徹尾数字だけでできているのです。
  
つまり、「真の意味でのAI」が人間と同等の知能を得るには、私たちの脳が、意識無意識を問わず認識していること全て計算可能な数式に置き換えることができる、ということを意味します。しかし、今のところ、数学で数式に置き換えられることができるのは、論理的に言えること、統計的に言えること、確率的に言えることの3つだけです。そして、私たちの認識を、すべて論理、統計、確率に還元することができません。
 
「残る仕事」の共通点を探してみると、コミニケーション能力や理解力を求められる仕事や、弁護士や畦の草抜きのような柔軟な判断力が求められる肉体労働が多そうです。
 
AIを活用できる人材は当面有用でしょうが、賞味期限はそれほど長くは無いだろうと私は予想しています。
 
重要なのは、新しいソフトウェアを使いこなすことができるかどうかでは無いのです。その中身、使うべきポイントや弱点を論理的に理解しているか否かです。
 
デカルトの方法論序説は大変薄い本ですが、大学時代から20回を読んで、自分の科学的方法のほとんどをそこらから学びましたが、それはまだわからない部分があります。もしかすると、多読ではなくて、深読に何らかのヒントがあるのかも。そんな予感めいたものを感じています。
 
重要なのは中学卒業までに中学校のどの科目の教科書も読むことができ、その内容がはっきりとイメージできるようなリアリティーのある子どもに育てることです。
 
  
重要なのは柔軟になることです。人間らしくそして生き物らしく柔軟になる。そしてAIが得意な暗記や計算に逃げずに、意味を考えることです。生活の中で、不便に感じていることや困っていることを探すのです。

【目次】

はじめに

第1章  MARCHに合格――AIはライバル 

第2章 桜散る――シンギュラリティはSF

第3章 教科書が読めない――全国読解力調査

第4章 最悪のシナリオ

おわりに 

【3.本書の感想】

「人間らしくそして生き物らしく柔軟になる」これが人工物であるAIに負けない生き方であると言うことですね。
 
逆に言うと、暗記や計算はやってくれるので、考える事に集中できるようになるので、人間の頭は更に良くなるのかもしれませんね。
 
この本を読むと、AIという得体の知れない何かが、それほど恐るべきモノでもないと確信が持てます。
 
新井紀子さんのTEDを見ました。
めちゃくちゃ格好イイです!
 
日本人が、あの場所で、英語で最先端の研究報告をする姿がとても素晴らしいと思いました。
 
この人が上司だったら、尊敬すべき対象になると思いますが、自分の場合は毎日叱られているかもしれません。(笑)
 
この本を読むと、AIに対しての心構えができます。
 
とても良い本です。
 
是非、ご覧下さい!
 
 

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最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!