京都のリーマンメモリーズ

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【書評】「変化を嫌う人」を動かす 魅力的な提案が受け入れられない4つの理由 ロレン・ノードグレン  ディヴィッド・ションタル  草思社

お題「ささやかな幸せ」

いいアイデアが浮かんだ時、それを実現するために、ほかの人に聞いてもらう時があります。そして、それをお願いしたとき、ダメと言われることがありますね。自分が思いついたアイデアを受け入れるようにしてくれる方法を教えてくれるすんごい本を紹介します。(笑)

 

【1.本書の紹介】

人を動かすのは、とても大変なことだと思います。
 
とてもいい提案をしたとしても、なかなか動いてくれない人も多いと思います。
 
なぜなら、人は変化を嫌う動物で、人を動かす事は至難の業だからです。
 
しかし、ビジネスにおいても、私生活においても、人に動いて頂かないと、こっちが困ることも多々あります。
 
だから、変化を嫌う人を動かすその方法を知る事は、とっても重要ですね!
 
実は、変化を嫌う人を動かすにもコツがあるようです。
 
さて、変化を嫌う人を動かすにはどうしたら良いのでしょうか?

【2.本書のポイント】

新しいアイディアの受け入れを拒む4つの「抵抗」
1 惰性:自分の知っていることには、限りがあるのに、それに固執しようとする強い欲求。
2 労力:変化を起こすために必要なエネルギー
3 感情:「感情面の抵抗」のこと。
4 心理的反発:変化させられまいとする衝動。
 
新しいアイディアを提案しても、それを世の中に溶け込ませる仕掛けを作っておかなければ、イノベーションは中途半端で終わってしまう。
 
米国史上の最優秀販売員は、自分が販売の仕事をしていると思っていない。彼の仕事は信頼関係を築くことなのだ。
 
ボールエクマと言う心理学者は、人類のあらゆる文化で普遍的に見られる基本感情が、6つあることを突き止めた。幸福、悲しみ、嫌悪、恐れ、驚き、怒りがそれだ。基本感情の中に、ポジティブなものは「幸福」の1つしかない。
 
ポジティブな出来事よりネガティブな出来事の方が強烈に記憶に残る。
 
「抵抗」を発見するのが難しいのは、寄り添う気持ちが必要だからだ。
 
「抵抗」を見つけ出すには、マーケターと言うよりもむしろ文化人類学者になることが要求される。だが、そのような役割を担う部署を持つ組織はほとんどない。
 
人は往々にして、新しいアイディアや可能性を受け入れることを嫌がる。というのも、人間の心は不確実なものや変化より、馴染みのあるものや安定を好むからだ。
 
私たちは、人や物やアイディアのことを知れば知るほど好きになる。
 
私たちの購買習慣は往々にしてある1つの要因に、何にも増して左右される。ブランド認知だ。私たちは知っている商品を購入するのである。
 
「現状に満足したら、それ以上の向上を望めない」と昔からよく言われるが、その大きな理由がこの本能にある。このような思考は停滞を招き、新しいアイディアを拒絶させるからだ。
 
新しいアイディアに慣らした後で、人々に賛同を求めるようにした方が良い。
 
何度も訴えることで、徐々に合意が形成されていくことを知っていた。
 
大きな変更が必要な場合は、アイディアを小出しにした方が初めて知った話でもすんなり聞き入れられることが多い。
 
人は、自分が知っている人や、自分に似た人からのメッセージには耳を傾ける傾向があるのだ。
 
喩えを使うと効果的なのは、なじみのないものがなじみのあるものに思えてくるからだ。
 
言葉と同じで、人々はより効率的な買い物の仕方を絶えず求めており、これまでより簡単な方法が現れると、驚くほど積極的に新しい買い物の仕方を受け入れる。
 
人々が新しいアイディアや機械について検討する時、最初に考えるのはそのアイディアがもたらすメリットでも価値でもない。1番の関心事は行動に要するコストだ。
新しいアイディアの導入コストを下げれば、それだけ世の中に受け入れられやすくなる。
 
「労力」に由来する「抵抗」を和らげるときには、2つの基本的な質問を自分自身に投げかける必要がある。このように行動するのが難しいのはなぜなのか、どのすれば容易に行動できるようになるのかを問うのである。
 
初心者のお客様にとって、大切なのは、彼らの夢を心から応援し、「あなたならできる」と励まし、目標に向かって第一歩を踏み出そうとする意欲を讃える人の存在です。
 
理由を聞き出す質問の方法
①自由回答式の質問:もう少し詳しく教えていただけますか?
②探りを入れる質問:前回はどのような感じでしたか?
③問題を浮き彫りにする質問:このプラットフォームのどのような点が気になっていますか?
 
「心理的反発」が発生する最も強くなるのは、次の3つの条件
・アイディアが基本的な信念を脅かす場合
・変わることへのプレッシャーを感じる場合
・オーディエンスがのけ者にされていた場合
 
【目次】
1 魅力的なアイデアが成功しない理由
2 魅力アピールに専念するのはやめよう
3 「惰性」
4 「惰性」を克服する
5 「労力」
6 「労力」を克服する
7 「感情」
8 「感情」を克服する
9 「心理的反発」
10 「心理的反発」を克服する
11 3つの事例研究

【3.本書の感想】

物を売る立場にいる時、私たちは、自分の作る商品やサービスをいかに魅力的に、他社より素晴らしいものに仕上げるか、ということをいつも考えています。
 
しかし、お客さんが買う理由と言うのは、必ずしもその商品が良いからや安いからとかそんな理由ではないと言うことがわかりました。
 
大きな理由の1つは、今、買える状況ができているか?というのが大きいということです。
 
例えばソファーを買おうと考えている人には、今、家にある古いソファーをどうしたらいいのか(例えば店が無料で引き取るなど)を明確にイメージさせてあげることで、何も気にせず新しいソファーを購入できると言うことです。
 
我々はどうしても自分の立場で相手のことを考えるので、勝手に理由を想像しますが、買う側には買う側の理由や状況というのがあるので、その状況をいかにつかむか、その抵抗をなくすのかという事が大切だと思いました。
 
私たち人間が新しいことをさせられると感じる時には、必ず抵抗があります。
 
それは人間は習慣の動物であり、同じことを繰り返すことが良いという伝統的な判断から来ています。
 
だからこそ、新しい提案を受け入れてもらうには、そのプロセスをしっかり踏んで相手が気持ちよくオッケーしてくれるような状況を作り上げることが必要ですね。
 
セールスをして売り上げで困っている方、人を説得しなければいけない立場の方、人をまとめないといけない立場の方には大変参考になる本ですのでぜひ読んでみてください!

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最後までのお付き合いありがとうございました!