京都のリーマンメモリーズ

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【書評】あした死ぬ幸福の王子 飲茶 ダイヤモンド社

今週のお題「夏野菜」

以前、庭でゴーヤを育ていていました。ゴーヤの緑のカーテンは涼しくていいですね。ゴーヤはゴーヤチャンプルにするととてもおいしくて、夏が来たー!っていう感じがします。しかし、ゴーヤは、意に反してどんどん、どんどん量産されていきます。そのうち、食べるのがつらくなってきた思い出があります。(笑)と言う訳で、人生で強烈な思い出に残る夏野菜になりました。今回は、あした死ぬ幸福の王子の話を通じて、ハイデガー哲学を教えてくれるというすんごい本を紹介します。(笑)

【1.本書の紹介】

ハイデガーって聞いたことありますか?
 
ドイツの哲学者くらいの印象しかないですが、哲学界でも大変メジャーな方のようです。
 
哲学は難しいと感じている方は多いと思いますが、中でもハイデガーの哲学はとても難しく、哲学者にとってもハイデガーの主張はよく理解されていなかったようです。
 
そんな中でも、ハイデガーは、人間はどういう存在なのかを示しました。
 
さて、人間というのは、どんな存在なのでしょうか?

【2.本書のポイント】

人間は、存在について、何一つ語れないのだと言うことを受け止めて考えることで、少なくとも二つのことがわかる。まず1つ目。それは、人間の思考にとって「存在」は大元の前提であり、建物の土台のようなものだと言うことだ。2つ目「人間は存在について語れないにもかかわらず、なぜか存在についてわかってしまっている」と言う不思議な事実だ。
 
自己紹介をする時、私は町長です、果物屋です、と社会的役割で説明する人が多いが、これは自分を「交換可能な存在である」と認めている。
 
ハイデガーが考える人間の本質とは
「人間とは、自己の固有の存在可能性を問題とする存在である」
 
人間の本質は「人間は周囲のモノの可能性を問いかける存在である」
 
「人間とは、自己の固有の存在可能性を問題とする存在である」すなわち「自分がどんな存在であるかを問いかける存在である」
 
他人の目を気にせず、自分で自分の生き方を決めよう、それが人間本来の生き方である。
 
人間であれば、誰しも、何者にも負けない最強のジョーカー、切り札を最初から持っているのだ。それこそが「死」だ。ー「自分が死ぬ」と言うことだ。
 
人間は有限の存在である→できないことがある→だから無力感を覚える→負い目を感じる。
 
人間は「負い目」から、己の有限性からは逃れられないんだ。
 
①良心とは、負い目を感じる心である。
②負い目は、人間の無力さ、有限性から生じるものである。
③また、負い目は、誰でもいつでも感じられる日常的なものである。
④その日常の負い目を逃さず、向かい合うことで「死の先駆的覚悟(本来的な生き方)」ができる。
 
有限だから死ぬ。でもだからこそ、交換不可能となり、かけがえのなさが生まれる。でもだからこそ、死にたくないと思ってしまう。でもだからといって、死なない無限の世界にすると価値や意味を失ってしまう。
 
自分が今まで何をしてきた人間なのか、どんな環境に放り込まれた人間なのか。過去を反復することで、自分オリジナルの可能性が見えてくる。
 
もし人間たちが「自分が死ぬ存在である」ことを正しく認め、そして同時に「他者が死ぬ存在である」ことをお互いに認めあえたとしたら、ー彼らは思想も、国家も宗教も超えた根源的なところで深く繋がることができ、人は人にもっと優しくできるのではないだろうか。そうすれば、この世界は今よりずっとマシで、幸福なものになっていたかもしれない。
 
「人生は終わるまで終わらない」
 
【目次】
序章 ── 宣告
第1章 ── 死の哲学者
第2章 ── 現存在
第3章 ── 道具体系
第4章 ── 本来的生き方
第5章 ── 死の先駆的覚悟
第6章 ── 良心の呼び声
第7章 ── 時間(被投性と企投性)
第8章 ── 世界内存在
終章 ── 幸福の王子
エピローグ

【3.本書の感想】

人間というのは、自分の存在を問い続ける生き物だそうです。

 

確かに、自分は何者で、どこから来て、どこへ行くのか?これは誰もが考えたことがあると思います。

 

いったい私は、どこから来て、どこへ行くのでしょうか?

 

哲学者はずっとこんなことを考えているんです。

 

私が哲学者なら、他の楽しそうなことや、答えが導けそうな問いを考えると思います。(笑)

 

負い目についてですが、今まで、人に親切にしているのに負い目を感じたことがありました。

 

動機は善から来ていますが、なんとも後味の悪いことになったことがあります。

 

その、理由がわかりました。

 

それは、人間は有限であるというとこから来ているのですね。

 

例えば、困った人に何かをしてあげたい。

 

食べ物なら支援できると思いますが、寝泊りする場所や、生活全体を支援するなんてことはできません。

 

こんな場面で、負い目を感じます。

 

それは、もっと支援をしたいのですが、自分ができる事には限界があるため、十分に支援はできないということです。

 

もっと尽くしたいのに尽くせないということだから、負い目を感じることは、必ずしも悪いことではないようです。

 

親切にしようと思ったのに、どうして後味が悪い思いをするのかの理由が分かった気がして、とてもうれしく思いました。

 

この本は、ハイデガーの哲学を物語で分かりやすく理解してもらおうという意図で作られています。

 

今まで、ハイデガーの事がチンプンカンプンだった人、限りある時間をどう使うべきなのかを知りたい人は是非、読んでみてください!

 

【4.関連書籍の紹介】

限りある時間の使い方を学んでみましょう。

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人生を思い通りに生きるヒントがここに!

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古典中の古典です!

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自分の時間を大切にしましょう!

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こういう人生設計もあるんですね!

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よりよく生きるために。

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人生を豊かにするために。

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うまくいくためには、方法があります。

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どう生きましょうか。

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最後までのお付き合いありがとうございました!